現在の症状を改善してくれる薬剤、例えばかぜの時の咳止め、花粉やじんましんの時の抗アレルギー薬、腰が痛い時の鎮痛薬は患者さんに処方すると喜ばれます。
一方で医師の立場から患者さんに服用してもらいたい薬剤は長期内服することで予後を改善する効果のある降圧薬、糖尿病薬、高脂血症薬、抗血栓薬、骨粗しょう症薬などの薬剤です。これらの薬は効果が短期間ではわかりにくく、比較的新薬が多く高価であったりするので、また薬が増えるんですか…、と嘆かれる方も多いです。
このように患者さんが希望する薬剤と、医師が服用を勧める薬剤とにはギャップが生じがちです。費用対効果の少ないとされる”低価値医療”は保険適応外から外そうというも議論されており、近い将来薬局で患者さんが購入できる薬は増えるかもしれません。AIも発達し、医師という専門職の重みは相対的に低下することは避けられないかもしれません。
その中で、必要な薬剤は理解して続けていただき、不必要な薬剤は漫然と処方しないよう患者さんとのコミュニケーションがますます必要になっていくだろうと感じています。

1月20日ごろは大寒といって、冬の寒さが最も厳しくなる時期です、普段落ち着いている方も血圧も高くなる方が多い時期といえるでしょう。病院で当直をしていたころは、「いつもより血圧が高いんです」と不安になり、救急外来を受診される方がいらっしゃいました。多くの方は病院に来てスタッフの顔を見て安心すると、自然と血圧が落ち着くケースがほとんどでした。
血圧が高い時に無理に動くと、かえって興奮して血圧が上がってしまいます。もしも、血圧が高いこと以外に症状がないのであれば、まずはご自宅でリラックスして休んでいただくのが一番の対処法です。
ただし、以下の症状がある場合は緊急事態の可能性があります。救急車を呼ぶか、至急医療機関へ向かうことも考えてください。
血圧が高いと、心配性の方は気になって何度も測ってしまうかもしれません。しかし、その焦りがさらなる血圧上昇を招くこともあります。
たとえ180/100mmHgまで上がったとしても、多くはすぐに正常値まで下げる必要はなく、逆に急激に下げることがかえって良くないこともあります。
人間の体は機械ではないため、血圧は常に変動します。「血圧は変動するもの」と理解し、日頃からかかりつけ医とそれぞれの許容できる血圧(合併症のあるなしによって異なります)について、相談しておくことが大切です。
